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道さがし遍路 生きるとは、幸せとは、豊かさとは?

トップ > 遍路日記(徳島) 1日目


6:55
1番霊山寺
7:22
2番極楽寺
8:25
3番金泉寺
10:05
4番大日寺
10:33
5番地蔵寺
11:50
民宿寿食堂(荷物おく)
14:14
別格1番大山寺
16:20
民宿寿食堂

名前 民宿寿食堂
場所 5番〜6番の遍路道沿い
別格1番の上り口のそば
料金 6,825円
洗濯 洗濯機・乾燥機(有料)
電話 088-694-2024

01_見送ってくれた友人の手紙 

02_早朝の道案内 

早朝6時11分。
1番霊山寺近くの板東駅のホームに下りた。
無人駅を通り抜け、立ち止まり、地図に目を落とす。
辺りは薄暗くて案内も見えず、心細い。

たぶん、こっち。歩き始めたそのときだった。
後ろから声をかけられた。
「お遍路さんやろ?」
振り返ると、さっき通り抜けた無人駅の待合に、
座っていたおばあちゃんだった。

75歳の誕生日を迎えたばかりというおばあちゃん、
早朝に霊山寺へお参りするのを日課にしていた。
「始発に乗ってくるお遍路さんを道案内するんよ」
そういって、霊山寺まで連れて行ってくれた。

03_女の足 

霊山寺の納経所が開くのは7時。
手前の本堂に手持ちぶさたで立っていると、
奥さん連れの年配お遍路さんに声をかけられた。
「歩きですか?女性の足で歩くなんて大変ですね。」

他意はなかったと思う。
でも私の内心は複雑だった。
女の足とはいえ、男性の足に劣るわけじゃない。
そんなにヤワでも弱くもないのに、女だから大変?

これがきっかけかは分らないが、
私の旅が先を急ぐ、
せかせかとした旅になったのは事実だった。
男の足に負けたくない、と。

霊山寺の納経所が開いた。
必要最低限、納経帳と納札だけを購入する。
他のものは必要になった時に買うつもりだった。

04_杖は絶対 

へんろ道を間違えながらも5番地蔵寺を打ち終え、
この日の宿泊先である民宿寿食堂に昼に到着。
予定より早いペースだった。

計算では1つの寺に30分費やすはずだった。
しかし私の参拝方法は、
灯明と線香を供え、手を合わせるだけのもの。
冬場だから納経で待つこともほとんどない。
私には15分もあれば十分だった。

民宿に荷物を置かせてもらい、道を確認。
さっさと出かけようとすると、ご主人に杖を渡された。

いったんは断ったものの強く勧められ、
結局杖を借りて出かけることになった。
「杖は絶対にあったほうが良い」らしい。

05_吐き気 

遍路道を5番地蔵寺方向へ戻り、
大山寺との分岐位置にある神宅郵便局を探す。
見当たらず、気付けば目の前に八坂神社があった。
いつの間にか郵便局を通り過ぎてしまったらしい。
そこで休憩がてらの昼食にした。

出会う人に何度も道を尋ね、道を確認しながら、
別格1番大山寺に登る遍路道を発見する。
ここで一気に脱力。が、すぐ後悔した。

登りの遍路道は、遍路初日にしては険しい。
登っても登っても、景色は変わるが、道は続く。
茂った草木の乾燥した種子が服にこびりつく。
苦しくて、何度も道の真ん中にへたり込む。
あげくに吐き気までこみ上げてきた。

昼食は途中で買ったサンドイッチと牛乳。
食べてすぐに動き過ぎたのか、胃がむかつく。
立ち止まっては胃を押さえ、
空を見ては息を整えた。

この一件から、
その後は昼食をきちんと取るのではなく、
歩きながら食事をつまむスタイルになった。

06_目のない仁王 

青い空に続く白い道、道を縁取る緑の竹林。
その竹林の陰から、うらぶれた仁王門が見えた。
午前中は手入れの行き届いた小奇麗な寺ばっか、
だから、この別格の出現は衝撃的だった。

過去には、極彩色に美しかったはずの仁王。
朽ちて片目が空洞となった今も、前方を見据え、
悪いモノから寺を守り続けている。
気圧されそうな雰囲気がそこにはあった。

同じ人から生み出された仁王。
一方が人に手を加えられ、
人に生かされ続けている綺麗な仁王なら、
こちらは朽ちることを許されず、
なんらかの意志に生かされ続けてる仁王。

予想以上にきつい登りの末、
やっとの思いで辿りついた達成感も手伝ったか。
全身に静かな感動が沸き起こった。

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